新図100%の一品一様な受注生産を変える、図面データ活用の新たな挑戦

株式会社ケーテー製作所

  • 設立
    1910年10月
  • 従業員数
    168名(2022年8月現在)
  • 売上高
    31億7千万円(2021年9月)
事業内容
注射製剤や消毒薬等の医薬品や、目薬等の充填等を行う生産設備機械などの開発・生産・販売。
お話いただいた方

代表取締役 副社長 上月 謙太郎氏

生産本部 生産管理部 マネージャー 湯澤 要平氏

Before

一品一様な受注生産のため、営業・設計・生産・調達の各業務に多くの間接コストが発生していた。

After

図面データの活用を起点に部門を横断した標準化・業務効率化の取り組みを推進。

Before

一品一様な受注生産のため、営業・設計・生産・調達の各業務に多くの間接コストが発生していた。

After

図面データの活用を起点に部門を横断した標準化・業務効率化の取り組みを推進。

オーダーメイド設計だからこそのデータ管理の課題

 東京都墨田区に本社を置く株式会社ケーテー製作所は、充填機の開発・生産・販売等を行う老舗メーカーだ。国内の多くの製薬会社や化粧品会社、食品会社が同社のメイン工場である埼玉工場を訪れる。充填機メーカーのリーディングカンパニーとしての実績と地位を確立した同社は、最近では再生医療における自動化システムの開発を行うなど新たな領域への挑戦を行っている。

 

 同社の特色の一つは、扱う装置の多くが顧客の要望に1台ごと応える受注生産でること。オーダーメイドならではの使いやすい設備は同社の強みであるが、それゆえに生産体制には長年、課題を抱えているという。「当社ではお客様に寄り添い、機械を具現化することを大事にしています。しかし、製品やシステムが複雑化しお客様のニーズも高度化する中で、生産効率を上げることと品質を高めることの両立が必要になりますが、その術が無いことが課題になっていました」そう語るのは副社長の上月謙太郎氏である。

 

 まさに一品一様な製品を扱う同社では、基本的に顧客の要望に応じて一から設計を行う。顧客の要望の多様化や技術的な進化が進む中で、過去の図面を探して流用を行うよりも、設計者にとっては、都度、一から図面を書いたほうが効率的に感じられた。

 

 その結果、過去の図面を参照するという文化がなくなり、現在に至るまで過去の図面の参照や流用自体も十分に行われていなかった。「当社の場合は新図という概念すらなく、全て新規に図面を発行していました技術の積み上げがなされていない危機感もありました」と上月氏はいう。もちろん、一から図面をおこすため設計に工数がかかる。「新しく引き合いをいただいても、我々の設計や組立の人員リソース不足が原因で納期の先延ばしをお願いしなければならないケースがありました。他社の機械を選定されてしまったこともあります」。

 

 リソース確保に向けた打開策として、同社が特定した課題が、過去の図面を適切に探し活用できる環境をつくること。最適なツールとして、図面データ活用クラウド『CADDi DRAWER』を選定し、過去の図面データの活用に向けたプロジェクトが始まった。

図面が見つからない、見つからないから図面が増える、作業が増える

 導入の背景について、同社の生産管理部マネージャーの湯澤要平氏に伺った。「『CADDi DRAWER』の紹介を受けて図面を“形状”で検索できることにとても驚きました。当社の現場にフィットすると魅力を感じました」と振り返る。「図面のデータをフォルダに溜めて管理しているのですが、部品名は同じなのに、形状が全く違うということがよくあります。そのため、形が似ている過去の図面を探すときには、まず図番で検索したうえで、一つずつデータを開いて図面を確認する必要がありました。これではどうしても時間がかかってしまいます」。設計部門では図面が探せない、探せないから図面を一から作図する。その結果、更に図面が増え、より管理が難しくなるというサイクルに陥っていた。

 

 また、図面をめぐる課題は、営業部門にも存在すると上月氏は言う。「例えば、お客様が充填ノズルを誤って壊してしまった際に部品交換の対応を行います。オーダーメイドですからお客様ごとに部品が異なるので価格表が存在しないんです。交換の見積もり提示をするための根拠として、生産管理システム内の数値をあたる必要があるのですが、そのために該当する図面を探し、納品時の価格を参照するといういくつものプロセスを経なければならない」値段を調べるだけで半日かかることもあるとのことだ。

 

 調達部門にも図面が簡単に探せれば解決する課題があった。部品発注の際、都度、サプライヤーに見積もりを取って、価格の妥当性を判断するプロセスを踏んでいた。調達部門を管掌する湯氏は「過去の似た部品の発注履歴はシステムに残っているものの、該当する図面を探して照合する作業は、きわめて煩雑で時間がかかります。現実的な判断として、設計部門から図面をもらうたびに毎回、見積もりをとる状況でした」と振り返る。

図面データを活用し、会社全体で標準化を推進

 同社では『CADDi DRAWER』の導入目的を、図面の流用や過去の発注実績の参照ができることによって、部署横断で業務効率が向上するような仕組みづくりに置く。「品質の高い決まった部品があって、そもそも出図手配そのものがなく、直接調達へ発注依頼が飛ぶのであれば、調達は過去とまったく同じものを手配すればいい。設計も一から図面を書く必要もなくなる。これ以上効率のいいことはない」と湯澤氏。

 

 多くのメーカーにとって標準化の活動は重要な課題だ。同社では顧客の建屋や設置場所によって装置の形が大きく変わるなどカスタマイズの度合が高いため、機械全体としての標準化が非常に難しい。どこまでなら標準化できるのか、部品やセクション単位で見極めを行い標準化を進める必要がある。図面をはじめ、製造、発注などサプライチェーン各所のデータを適切な形で蓄積できていることが絶対条件だ。『CADDi DRAWER』活用の取り組みの中で、同社では早くも様々な部門の現場から製造におけるデータ活用に関するアイデアや意見が活発に集まるようになったという。

 

 最後に、2人に今後の目標を伺った。「お客様一社一社に最適化した機械をつくることと、業務の効率性を担保すること、これらを両立するには、知見やデータを蓄積して活用することが求められます。機械のあるべき姿を考え、コストまで含めて評価することが大事です。必要なところは標準化して、きちんとお客様ごとにカスタマイズするところが日本企業のいいところだと思いますし、それを我々も目指していきたい」と上月氏。

 

 「日本の製造業の中には非生産的な業務はまだまだ残っていて、調達もそういったことが多いと思うんですね。いろいろな図面を探したり書類を漁ったりする付加価値を生みにくい作業はシステムに任せて、人間が人間らしく仕事ができる、集中できる環境を作りたいと思います。まだまだ日本の製造業はその人なりの能力の高さを十分に発揮できるポテンシャルを秘めていると思います」と湯澤氏は最後に語った。

 

 今後も引き続き、今まで培った同社独自のノウハウや知見をデータ化し、それを活用することで会社全体を変革していく考えのようだ。

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