図面を付加情報と紐づけてデータ化。現場のアナログ・属人化が解消され、経営スピードが上がる

富士油圧精機株式会社

  • 設立
    1965年
  • 従業員数
    85名
  • 売上高
    非公開
事業内容
印刷機械関連装置、上製製本機械ライン、並製製本機械ライン、事務機・電動帯封機、一般産業機械の自動省力機械の設計、制作及び販売・サービス、メカトロニクス機械の製造・販売。
お話いただいた方

代表取締役社長 石田 桂司氏

第ニ製造部 部長 剱持 卓也氏

Before

紙も含めた膨大な図面を探し出すのに時間がかかり、資産として全く活用できず、設計開発力が減少していた。

After

図面の検索が一瞬でできるようになり、設計作業の効率化や製造ミスの低減、見積もりの適性化を実現。

Before

紙も含めた膨大な図面を探し出すのに時間がかかり、資産として全く活用できず、設計開発力が減少していた。

After

図面の検索が一瞬でできるようになり、設計作業の効率化や製造ミスの低減、見積もりの適性化を実現。

データは山のようにあるが使えない。図面の属人化が進む設計現場

 富士油圧精機株式会社は、創業から50年以上、製本・印刷業界を主軸に、様々な業界に向けた自動省力化機械の開発・製造・販売を行っている。お客様の個別ニーズに卓越した技術開発力で的確に応え、業界内で高い評価を得てきた。

 

 富士油圧精機は、標準設計の機械よりも、お客様の要望に合わせた一品一様の機械の比率が高いのが特徴だ。そのため、新規性の高い開発的な設計が多く、新たな図面を作成することが多い。しかし、過去に同様、または近い内容の設計案件があり、図面を活用できるものがあれば、探し出して活用していた。また、メンテナンス案件であれば、該当の機械の図面を元に部品を製造するので、過去の図面を探し出す必要があった。過去に設計・納入した製品について、一部の仕様を変更した形で再注文が入るような場合もあり、どのような設計が行われたのか、過去の図面を紐解く必要が発生することもある。設計部門に限らず、製造、調達、営業の各部門では、何年にも渡り蓄積されてきた図面情報、製造に係わる情報を探し出す作業を日々行っていた。

 

 情報はサーバーに格納されたCADデータだけでなく、倉庫に保管された紙図面もあり、膨大な量である。探し出す作業に早くても10分以上。長ければ1日近くかかる負荷の高い作業であった。

 

 更に、問題だったのが設計情報の属人化だ。CADで設計されたデータはサーバーに蓄積されていくが、設計者各人に割り当てられたフォルダに格納されていくだけなので、どこに、どの機械の図面があるのか設計者本人しか分からなくなる。設計者が異動、退職等でいなくなれば、本人に聞くこともできない。また、図面番号でしか検索ができないので、その図面がどのような形状、材質、用途の物であるか、ファイルを開くまで分からない状態であった。そのため、探すよりも新たに図面を作った方が早いと考え、過去の知見を活かすことなく、各自が新たに設計を進めて図面だけが増えていく状態が続いていた。

 

 「データは山のようにあります。でもその存在を知らない。今までの知識や技術の引き継ぎも上手くいっていません。設計開発力が著しく減少していました。」と第ニ製造部部長の剱持氏は語る。

図面の検索が容易になる。設計、製造、調達、営業の各部門で省力化が進む。

 富士油圧精機では、設計部門に限らず、会社全体で図面を重要な資産と位置付けている。しかし、アナログな手法により、資産を有効に活用できていない現状に危機感も持っていた。デジタル化は会社全体で進めていかなければならない。現状を変えて行くことを決めた富士油圧精機は、図面データ活用クラウド『CADDi DRAWER』を採用した。これにより、多くの図面資産がデータ化され、発注データや付加情報と紐づけてクラウドに蓄積されていった。

 

 「技術、図面データ、過去の知見も含めて、クラウドサービスで、誰でも、どこでも同じ情報にアクセスできるのは凄いことだと思いました。」と剱持氏は言う。

 

 導入の効果は各部門で出てくる。設計部門では、今まで多くの時間がかかっていた該当図面の検索が数秒程度と大幅に短縮された。類似図面も検索により容易に見つけることが出来る。図面を探す時間が大幅に減り、設計作業の効率が大幅に向上した。過去図面の活用が容易になったことにより、設計工数の削減も実現できる。

 

 また、製造部門では、過去に製造した実績のある部品を利用できれば、製造の際に起こる不具合も無くすことが出来る。調達、営業部門では、類似図面を用いて最適な価格での発注や、見積もりの適性化も可能だ。

 

 富士油圧精機では、製造現場の担当者にタブレット端末を用意し、製造に必要な図面を確認できるようにもした。必要な図面を『CADDi DRAWER』によって瞬時に確認できるだけでなく、図面に付加された加工に必要な情報も確認できる。今まで図面に手書きで記入して整理していた、加工順序、工具、基準位置、加工プログラムの保存場所といった情報が、図面の情報と紐づけられ、現場で容易に確認できるようになったのだ。

 

 剱持氏は導入効果についてこのように語る。「図面を検索するだけではなく、コアになる仕事そのものを減らすことができます。省力化に関しては間違いない効果が出ています。これまでの英知と、これからの英知も全て集約できる引き出しを我々は手に入れることができました。最初は図面を探してくれるコンシェルジュのイメージでしたが、使っていると、そんなものに収まらないことに気づきます。」

図面を資産として有効活用できることで組織が変わる。経営のスピード感が増す。

 富士油圧精機では、当初『CADDi DRAWER』の導入に懐疑的な面も持っていた。これまで、これが自分たちの仕事だと思い込んでいた部分があり、そんなもので仕事の問題を解決できるはずが無いと思っていたのだ。しかし、導入後に考えは大きく変わる。いつでも、どこでも、だれでも現在、過去の図面の情報を扱えて、資産として活かせることで、組織体系すら一新できるかもしれない。人や時間が必要だった仕事を、もう1回見直す機会になるのではと考えるようになったのだ。

 

 代表取締役社長の石田氏は、富士油圧精機の今後の取り組みについて次のように語った。

 

 「まずは製本・印刷業界を主軸として、今後は少し違った柱も立てていきたいと考えています。我々の持っている技術を活かせる市場を探していきます。困ったら富士油圧精機と、お客様に言ってもらえるようになりたい。もっとエンジニアを増やしていきながら、お客様のために手を動かしてやっていきたいと思っています。

 

 まだまだやることは山ほどあります。突き進んでいくところも山ほどある。その山を乗り越えるのに、『CADDi DRAWER』などのデジタル技術を使っていきます。我々の強みは、お客様の所に行って、こうやれば省力化できると提案できる点です。お客様からの要望を会社に持ち帰り、設計と相談して、見積もりを出していたら、やはり時間のロスが大きい。『CADDi DRAWER』があれば繋ぐことが出来ます。2週間、3週間必要だったものが、2日、3日で出来てしまいます。お客様にそのスピード感を味わってもらいたい。スピード感をわが社では非常に大事にしています。」

 

 富士油圧精機は、今後もスピード感をもってデジタル変革を進めていく計画だ。

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