「図面管理」から「図面活用」へ。埋もれたデータ活用で最適調達を実現

株式会社荏原製作所

  • 設立
    1920年
  • 従業員数
    連結 18,372名(2021年12月末)
  • 売上高
    連結 6,032億円(2021年12月末現在)
事業内容
ポンプ、コンプレッサ、タービン、送風機、半導体製造装置等の開発・設計・製造・販売 、ごみ焼却プラント等のプラントエンジニアリングを展開。精密・電子事業の主力製品はドライ真空ポンプやCMP装置。
お話いただいた方

グローバル調達・SCM戦略部 ものづくり調達革新課長 中村 慶太氏

精密・電子事業カンパニー 調達部 熊本調達課 中城 宣之氏

Before

受注が急増する中、縦割りな組織構造と非効率的なアナログな業務によって、調達業務に時間がかかり、納期遅延が起こっていた。

After

数時間かかっていた図面探索業務が数秒に短縮。原価企画やサプライヤー開拓など、生産的な業務に時間を使えるようになった。

Before

受注が急増する中、縦割りな組織構造と非効率的なアナログな業務によって、調達業務に時間がかかり、納期遅延が起こっていた。

After

数時間かかっていた図面探索業務が数秒に短縮。原価企画やサプライヤー開拓など、生産的な業務に時間を使えるようになった。

増える引き合い。それに対応すべくサプライチェーン全体の業務改革を推進

 株式会社荏原製作所の歴史は古く、創業は1912年(大正元年)にさかのぼる。ポンプメーカーとして設立された同社は、100年以上たった今も、ポンプの製造を中心に、高い技術力で世の中を縁の下から支え続けている。現在、風水力機械カンパニー、環境事業カンパニー、精密・電子事業カンパニーの3事業部で事業を展開している。製品の出荷先は幅広く、上下水道などの水関連や、オイル、ガスなどのエネルギー分野で使われるポンプの他、半導体製造プロセスに使う真空ポンプなどがある。さまざまな分野で社会と産業、そして暮らしを支えているのだ。

 

 同社がキャディとつながりを持つきっかけになったのは、精密・電子事業カンパニーでの増産だったと全社の業務改革を担う中村慶太氏は言う。半導体製造に使うCMP装置などを作っていたのだが、顧客からの引き合いが増え、既存の板金サプライヤーで扱える量ではまかないきれなくなってきた。そこで2022年のはじめ頃から、サプライヤーの新規開拓のためCADDi Manufacturingを利用することにしたのだ。これにより、板金の加工品の供給は安定。納期遅れもなく量産に繋げることができたという。そしてそこから社内の業務プロセス自体をより効率的にするため、CADDi Drawerに可能性を感じるようになったそうだ。

 

 荏原製作所では、開発、設計、調達、生産で役割分担が行われている。それぞれの役割に応じて集中して業務が行える一方、仕事の流れに分断を感じている社員もいた。例えばある部品の設計において、調達で発生した困りごとが設計部門にはフィードバックされない。そのため同じような問題が繰り返し発生するのである。そのような中、中村氏は、開発段階からコストを作り込むメリットを社長に強くプレゼンしたという。顧客により価値のある製品を提供するためにも業務改革を進めていこうという強い意志があったそうだ。CADDi Drawerを初めて聞いたとき、図面データを使って組織の垣根を超え、各部署のナレッジを共有できる可能性を感じたのだという。

 

 また、同社では図面データの「管理」はできているが「活用」は十分に出来ていなかった。特に、サプライヤー選定や見積もり判断に時間がかかっていることは生産リードタイムを短縮する上での大きな課題になっていた。昨今の社会情勢下では調達における不確実性が高まっており、現場への負荷も大きくなっている。中村氏はまずは調達部門に目をつけ、CADDi Drawerの導入を進めた。

時間がかかる図面探し。調達先の選定にかける時間が圧迫される

 調達部門における重要な役割の一つが、適切なサプライヤーの選定である。サプライヤーがもつ技術やコストなどを考慮し、発注を出さなければならない。似たような部品を複数のサプライヤーに発注した実績があるならば、サプライヤーごとの金額なども比較し、選定する必要がある。ベテラン社員であれば、以前に取り扱った部品の記憶から、似たような部品をどのメーカーに出したかを探せる場合もある。しかし、経験の浅い社員にはそのノウハウがない。幸いに以前の記録が発見できても、図面や以前の記録を探すのに時間がかかってしまったために、十分な検証ができないまま発注をかけてしまうことさえあったという。

 

 CADDi Drawerでは、独自のアルゴリズムにより類似図面の検索もできる。そのため図面の検索と同時に、その図面と似た類似図面とそのサプライヤー、金額情報などのデータもワンクリックで入手できるようになった。その結果、以前の発注に比べて価格が著しく変化していないかなどの検証がすぐにできるようになったと実際にシステムを活用する中城宣之氏は言う。発注実績のあるサプライヤーならば、見積もりを取る前におおよその予測もつく。コストダウンのために相見積もりを取る際や、想定していたサプライヤーに発注が出せなかった際にも、類似図面検索から、すぐに適切なメーカーが探せる。安心してサプライヤーに発注できるようになった。

 

 特に中城氏は従来の図面管理システムや購買履歴を管理するシステムに比べて、CADDi Drawerの使い勝手の良さに惹かれたという。「現在のシステムでは購買履歴から図面をダウンロードできるが、複数のページを行ったり来たりしなければならない。それがCADDi Drawerではぱっと一目でわかる。数時間かかることもあった図面を探す作業が数秒でできるようになった」。図面検索という作業が大幅に短縮され、今では本質的に調達がすべき、生産的な業務に時間を使うことができるようになった。

さらに付加価値の高い業務のために、図面データを活用する

 実際にシステムを使ってみると、多くのメリットがあったという。「業務の中で実際に使ってみなければ効果が分かりにくいと考え、思い切って導入した甲斐がありました」と中村氏。ただ一方で、CADDi Drawerの価値は、調達部門だけで活用していくには勿体ないとも感じているそうだ。

 

 今後は、上流の企画段階でコストや品質を作りこむためにシステムを活用したいと希望を語ってくれた。描かれた新規部品の図面を使い、類似図面検索から原価比較などをやっていきたいと言う。そしてその情報を元に設計者が調達性やコストを意識した設計をし、調達に情報が来るころにはすでに相見積もりなども終了していて、すぐに発注できるようになっている。そういうサイクルを回していくビジョンが中村氏と中城氏にはすでに見えている。

 

 今後さらに伸びていくと予想される半導体製造装置の注。それに対応すべく、新しい発注先の開拓や、QCDを向上させるためにもCADDi Drawerを活用していきたい。2人の目標は、業務改革のさらに先に向かっていた。

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